就労継続支援A型とは?働き方に迷ったときの“やさしい選択肢”

皆さんこんにちは!
京都府八幡市で九条ネギの生産・野菜販売事業を行っている A 型事業所フープファーム広報のイチです!
「就労継続支援A型」って、聞いたことはあるけれど、実際にどんなものなのかよくわからない…と思う方も多いのではないでしょうか。
名前がちょっと堅苦しいので、なんとなく敬遠されがちですが、実はこの制度、障害や病気がある方にとって“自分らしく働く”ための、とても心強い選択肢なんです。
たとえば、「体調に波がある」「いきなりフルタイムは不安」「前に働いていたけどブランクが長くて…」といったお悩みがある方にとって、A型はその一歩目をそっと支えてくれる場所。
この記事では、制度の仕組みや働き方のリアルを、お伝えしていきます。
目次
就労継続支援って、どんな制度?

まずは基本の「就労継続支援」についてご紹介します。
これは、障害や難病などの理由で一般就労がむずかしい方に向けて、働く機会とサポートをセットで提供してくれる福祉サービスのひとつです。
就労継続支援には大きく分けて「A型」と「B型」があり、どちらも「働きたい」という気持ちに応えるための選択肢となっています。
内容としては、たとえばこんなお仕事があります。
- 軽作業(袋詰め、シール貼り、組み立てなど)
- 農作業や清掃
- パンやお弁当の製造
- パソコンを使ったデータ入力や事務業務
事業所によって内容はさまざまですが、「自分に合った仕事」や「無理のないペース」を選べるのが魅力です。
A型とB型のちがいって

A型とB型の大きな違いは「雇用契約があるかどうか」です。
- A型:事業所と雇用契約を結び、最低賃金が保証されます。労働者として扱われるので、働いた分はお給料として支払われます。
- B型:雇用契約はなく、作業に対する「工賃」が支払われます。より柔軟な働き方ができる分、収入は少なめです。
「責任を持って、安定的に働きたい」「将来的には一般就労を目指したい」という方にはA型が合っているかもしれません。
一方で、「まずは週1〜2回、少しずつ始めたい」「体調の安定を優先したい」という方には、B型のほうが合うこともあります。
どちらが正解ということではなく、その人にとっての“ちょうどいい働き方”を選ぶことが大切です。
実際にA型を利用しているのはどんな人?

A型を利用されている方は本当にさまざまです。
- 発達障害や精神障害、知的障害がある方
- うつ病や統合失調症などでブランクがある方
- 高校・大学を卒業したばかりで、社会経験がまだ少ない若者
- 一般就労を経験したけど退職し、再スタートを切りたい方
自治体によっては、障害者手帳がなくても、医師の診断書があれば利用できるケースもあります。
「社会との接点を持ちたいけど、どう動けばいいかわからない」というときの第一歩として選ばれている制度です。
A型事業所での1日の流れ

事業所によって多少の違いはあります。
よくある1日として
- 9:30 出勤・朝礼・体調チェック
- 10:00 午前の作業開始(軽作業やデータ入力など)
- 12:00 昼休憩
- 13:00 午後の作業
- 15:00〜16:00 作業終了・片付け・終礼
勤務日数や時間は柔軟で、「週2だけ通う」「午前中だけ働く」といった働き方も可能です。
こうした配慮が、心身の状態を見ながら長く働き続ける支えになります。
実は私たち一般社会法人フープファームでも、A型事業所を運営しています!
1日の流れはこちらから↓
働くことを支えてくれる“場所”でもある

A型のいいところは、「働くことを学ぶ場所」であると同時に、「人とのつながり」や「生活リズム」も整えてくれるところです。
事業所には支援員の方が常駐しており、作業のサポートやちょっとした相談などにも気軽に乗ってくれます。
「今日は調子が出ないな」というときも、ひとりで抱え込まずに済む安心感があります。
一般就労へのステップにもなる

「いずれは一般企業で働きたい」と考えている方にとって、A型はそのためのステップにもなります。
実際に、A型事業所で経験を積みながら就職活動をしたり、企業での実習を行って、そのまま採用につながったというケースもたくさんあります。
もちろん、無理に“次のステップへ進まなきゃ”と思わなくても大丈夫です。
A型で長く働き続ける道も、立派な選択です。
気になるお給料事情

A型は雇用契約があるため、最低賃金が保証されています(都道府県によって異なりますが、2025年現在で1,000円〜1,113円前後が多いです)。
ただし、勤務時間が短めの方が多いため、月収の目安としては5〜8万円程度が一般的です。
フルタイムで働けばもう少し増える可能性もあります。
最初から「生活費すべてをまかなう」ことが目的というより、「収入を得ながら経験と自信を積む」というイメージに近いかもしれません。
通院や休息との両立もしやすい

A型のもうひとつの魅力は、「働き方を自分で選べる」ことです。
- 通院のある日はお休みをとる
- 午前中だけ勤務する
- 無理せず週2からスタートする
といったように、自分のペースで無理なく働き続けられる環境が整っています。
自立を目指す方にとって、安心して第一歩を踏み出せる仕組みが用意されているのです。
A型にも事業所によって差があります

少し現実的なお話もすると、すべてのA型事業所が“理想的な環境”というわけではありません。
- 十分な支援が受けられない
- 作業内容が単調すぎてやりがいが感じにくい
- 職場の雰囲気が合わない
など、ミスマッチが起きてしまうことも。
そのため、見学や体験利用を通じて「ここで働けそうかどうか」をしっかり見ておくことが大切です。
「一般社会法人フープファーム」もA型事業所を運営中

私たち一般社会法人フープファームでも、A型事業所を運営しています。
主に農業を通じて、利用者の方が自然の中でのびのびと働ける環境を整えています。
「誰もが自分のペースで、安心して働ける場所」を目指して、日々サポートしています。
まとめ:「働き方に正解なんて、ない」

就労継続支援A型は、「働くこと」に不安を抱えている方にとって、とてもやさしい制度です。
大切なのは、自分に合ったリズムで「働くこと」を始められること。
A型は、その一歩目にぴったりの場所かもしれません。
ご自身はもちろん、ご家族や知人が「就職や働き方に悩んでいる」場合は、ぜひ一度、A型という選択肢をのぞいてみてくださいね。
お陰様で草刈りも多くのお申込みいただいております🌼🌼🌼

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