知らないと損!農作業がぐんと楽になる“動き方”の工夫

はじめに 〜「体がきつい」は工夫で減らせる〜

農作業って、見た目以上にハードですよね。

草取り、収穫、運搬…どれも体をフルに使うから、終わる頃には「腰が…」「膝が…」なんて声が出ることも珍しくありません。

でも実は、ちょっとした“動き方”の工夫だけで、体への負担はグッと減らせるんです。

長く農業に関わっていくなら、無理をしない体の使い方を身につけることが大事。

このコラムでは、「知らないと損する」レベルの体にやさしい動き方の知恵を、わかりやすくまとめました。

これを読むだけで、明日の畑仕事がちょっとラクに感じるはず。

1. しゃがむ・立つ・持ち上げる ― 腰を守る基本姿勢

農作業中、腰を痛める原因の多くが「中腰」と「無理な持ち上げ方」です。

腰をグキッとやってしまう前に、正しい基本姿勢を見直してみましょう。

🧎‍♂️しゃがむときは「膝を曲げて、背筋まっすぐ」

ついやってしまいがちなのが、背中を丸めて前かがみになる姿勢

これ、腰にかなりの負担がかかります。

  • 正解は、膝をしっかり曲げてしゃがみ、背筋はなるべくまっすぐに。
  • 膝に手を当てて支えながら体を沈めると、安定感が出て◎。

🧍‍♀️立ち上がるときは「体を前に倒しすぎない」

勢いよく立ち上がると、腰や太ももに急な負担が。

手を膝について、上半身と下半身をバランスよく連携させて立ち上がるのがポイント。

📦荷物を持ち上げるときは「膝を使う」

  • 腰を曲げて持ち上げるのではなく、膝をしっかり曲げて腰を落とす
  • 背筋は伸ばしたまま、荷物を体に近づけてから、下半身の力で持ち上げるのが安全です。

「よっこいしょ」の瞬間に腰を痛める方、本当に多いんです…!

“膝を使って持ち上げる”は鉄則として覚えておきましょう。

2. 長時間の作業でも疲れにくい「重心の置き方」

作業中、どこに体重を乗せているか? これ、意外と見落としがちです。

正しく重心を取るだけで、作業の疲れ具合は大きく変わってきます。

⚖️ポイントは「左右均等+地面に対する安定」

  1. 足は肩幅、つま先はやや外向き
     → 安定感があり、長時間立っていても疲れにくい姿勢です。
  2. 体重はかかと〜土踏まずにかけて意識
     → 前のめりになると足や腰に余計な力が入りやすくなります。
  3. 作業中は時々“左右の足に重心を移す”
     → 一方に偏ったままだと、筋肉疲労や関節の痛みの原因に。

👣 動きの中でも“バランス意識”を忘れずに

草取りや苗植えなど、前傾になりがちな作業のときこそ、「いま自分はどこに体重をかけてるか?」を意識してみてください。

ちょっと体の角度を変えるだけで、疲れ方が全然違ってきます。

3. ムダな動きを減らす「作業の順番」と「動線設計」

農作業中の「ムダな動き」が、知らず知らずのうちに疲れを増やしています。

たとえば、行ったり来たり、何度もしゃがんだり立ったり。

そんな日常の中に、“動線”と“順番”を見直すだけで格段にラクになる工夫が詰まっているんです。

🔁 作業の「順番」を意識しよう

  • 先に広い面積の作業を済ませてから、細かい部分に取りかかる
  • 重い荷物を運ぶタイミングを「最小回数」で済むように組む
  • 体力のいる作業は午前中、軽い作業は午後に回す

これだけで、1日の疲労度がかなり違います。

🚶‍♀️「動線」は“遠回り”をなくすだけで変わる

  1. 収穫 → 運搬 → 選別、の場所がバラバラだと何度も移動が必要になります。
  2. 作業前に一度、「今日の動き方」を紙に描いてみるのがおすすめ。
  3. 「置き場所をちょっとずらす」だけで、ぐんと効率アップすることも。

農業も、「段取り8割」と言われることがあります。
作業の配置と順番にほんの少し工夫するだけで、体も時間もラクになるのです。

4. 膝と手首の負担を軽くする“ちょい工夫”

「痛い…けど我慢」なんて思っていませんか?
膝や手首の痛みは、無理が重なるとクセになります。

そこで、少しの道具や動き方で負担を軽減する方法を紹介します。

🦵 膝を守るには「膝当て or クッションシート」

  • 100円ショップでも手に入る膝用サポーターやガーデン用マット
  • これがあるだけで、長時間のしゃがみ作業が本当にラクになります
  • 冬は冷え防止にも◎

✋ 手首には「軽いグローブ」+「グリップ意識」

  • グローブは厚すぎず、柔らかく手に馴染むものが疲れにくい
  • 道具を握る時、手首に力が入りすぎないよう“グリップ全体”で握る意識を
  • 長く握って作業する人は、リストバンドもおすすめ

🧼 作業後のケアも忘れずに

  • 冷水で手首・膝を冷やし、そのあと温タオルで温める
  • たまには湿布やストレッチでメンテナンスを。
  • 疲れを翌日に持ち越さない意識が、体を守る第一歩です。

5. 農具の持ち方ひとつでラクになるってほんと?

はい、ほんとです。
「いつも通りの持ち方」が実は体を疲れさせていること、意外と多いんです。

🛠️ 持ち方を意識すると変わる道具たち

  • クワ・ホー類:腕全体で持ち、振り下ろす時は体の重さも使う
  • 剪定バサミ:握る手を親指からではなく、小指側から包み込むように持つと力が入りやすい
  • バケツやカゴ:片手で吊るすのではなく、両手で体に近づけて持つことで腰と腕の負担が激減

💡「慣れ」は修正できる

最初は違和感があるかもしれませんが、
数日続けるとその持ち方が“正しい癖”になります。

体への負担が減ったと実感できるタイミングが、必ず来ます。

6. 動き方を支える!休憩とストレッチの大切さ

体を守る動き方の最後のポイントは、「休むこと」。

「まだいける」「もう少しだけ」が一番危ないタイミングです。

⏰ こまめに区切る休憩を意識しよう

  • 30〜45分に一度は、手を止めて3分だけでも休む
  • この3分があるかどうかで、午後のパフォーマンスが変わります

🧘‍♀️ ストレッチのコツ

  1. 前屈して腰とハムストリングを伸ばす
  2. 手首をクルクル回す
  3. 肩甲骨を寄せて肩こり予防

朝と作業後に、深呼吸をしながらゆっくり行うのがポイント。

「伸ばす」だけで、疲労がグンと抜けていきますよ。

まとめ 〜正しく動けば、農業はもっと続けやすくなる〜

農作業は、長く付き合っていくもの。
だからこそ、体への負担を減らす“動き方”の知恵は欠かせません。

しゃがみ方や持ち上げ方、作業の順番に至るまで、
ほんの少し意識を変えるだけで、心も体もグッと軽くなるはずです。

そして、あなたのその「ラクする工夫」は、
きっと次に農業を始める誰かの知恵にもなることでしょう。

毎日頑張る自分の体を、どうか大切に。
今日もよく動いてくれた体に、「ありがとう」を。


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