とある王国のお話。
煌びやかで立派な王宮、鳥のさえずりに心踊り緑豊かなこの王国の名前は『フープ王国』
国民の誰もが笑顔に溢れ、手を取り助け合う。平和を絵に描いたようなこの王国も10年前までは覇権をあらそう小国の一つに過ぎなかった。
戦国時代とも云える時代を一つの国にまとめあげたのが時の国王シャ・チョウ。肩まで伸びる黒髪にワイルドな口髭を貯えたその風貌は男の色気が溢れ出ている。柔和な目の奥には信念を火を灯す、まさにカリスマ。心優しき国王の偉業に国民は熱狂し、王国の繁栄を皆が願っていた。
国王には妻である王妃と2人の王子がいた。第一王子の名はヒカル。齢3つにして父親譲りの勇敢さと聡明さを持つヒカル王子は王妃からの寵愛を受け、国民からも平和の象徴として愛されていた。
新しい命が誕生したのはつい先日のこと。愛くるしさを詰め込むだけ詰め込んだ、可愛らしい男の子が生まれた。大きな目はキラキラと輝き国民にまた大きな愛と希望を与えたのであった。
国民は新たな王子の誕生に歓喜し、毎年王子達の生誕祭には夜空に大きな打ち上げ花火が上がりその宴は三日三晩続いたという。
幾度目かの生誕祭、夜空を占める煌めきを見上げヒカル王子は宣言をするのです。
ヒカル『父上、僕はこの平和なフープ王国をずっと守りたい。皆が毎年こうやって笑顔で過ごすフープ王国が好きなんだ。』
国王『ははは！！ヒカルは頼もしいな！そうだぞ、国民の笑顔を守るのが王様の役割だ！国民の為に出来る事は何でもするんだ。しかし、その為には自分自身も力をつけなければならん。国民を先導する為に自己を研鑽し人に優しく立派な王様になれたらいいな！』
リョウヘイ『僕も王様になりたい！僕もフープ王国が大好きだ！』
国王『ははは！！そうかそうか、リョウヘイもなりたいか！お前は明るく元気な楽しい王様になりそうだな！』
リョウヘイ『やったー！僕は明るく元気な王様になる！』
ヒカル『リョウヘイ、良かったなー！お兄ちゃんと一緒にお勉強しようなー！』
王妃『ふふふ。こんなに優しい時間がこれからもずっと続くといいですね♪』
国王『大丈夫！続くさ！世界は愛で溢れているんだからな！』
王宮の遥か北にある悪魔が住む洞窟。今まさに不穏な暗雲立ち込めるていることなど、誰も知らない。それほどに今宵の夜空は煌びやかに輝いているのであった。