その日は突然訪れた。王国の広場に拡声器を持った革ジャンの集団が突如として現れた。
『我々キムチ界隈は、ここにキムチ革命を宣言する!!』
『未曾有の大災害以降、この国は常に病を恐れて笑顔の消えた国になりさがった!!』
『本当にこの国は安全なのか!?この国にある食べ物は安全なのか!?』
『そこで我々は発酵食品であるキムチを推奨する!リーダー!お声を聞かせてください!』
リーダー『我々はこの発酵食品であるキムチに人類の命運を賭けるべきだ!キムチの発酵には、植物性乳酸菌の働きによって食物が変化し、人間にとって有益に作用する!!美味しくなるだけでなく栄養価が上がるという利点がある!キムチを食卓に!!』
『おぉぉお!!!!』
この集団の訴えに耳を傾けたのが、まさかのフープ王国第二王子リョウヘイであった。
リョウヘイ『チョビさん、僕はあのキムチ界隈という集団に話を聞いてくる!』
チョビ『坊っちゃま!だめです!あんな荒くれ者の集団の言う事など間に受けてはいけません!』
国王軍軍団長チョビの静止も振り切りリョウヘイはキムチ界隈がたむろするという酒場の扉を勢いよく開く!
リョウヘイ『キムチ界隈さん!聞かせてくれ!!キムチってなんなんだ?どんな可能性があるんだ?』
リーダー『ははは、威勢のいい奴が入ってきたな!まぁいい、そこに座りな!』
カウンターテーブルに差し出されたのは赤い香辛料にまみれた白菜だった。
リーダー『まずは何も聞かずにこれを食べてみろ。』
リョウヘイ王子はひと口食べると
リョウヘイ『う、美味い!この辛み、旨み、食欲がそそられる!!これがキムチというものなのかー!!』
リーダー『どうだ!美味いだろ?これがキムチというやつさ!良い顔するじゃねぇか!よし、キムチについて話してやるよ!』
この出会いが王国の運命を変えようなどと誰が知っていただろうか。
第七話完