酒場ではキムチ界隈という集団に囲まれたリョウヘイ王子が目をキラキラ輝かせてリーダーの話に食いついていた。

リーダー『キムチというのはな、野菜に唐辛子・ニンニク・生姜など様々な調味料を混ぜて作った発酵食品のことだ。発酵することによってそれまでになかったビタミン類が生まれ、整腸作用を助け、消化を促進する。また、発酵は乳酸菌を増やし、防腐作用を助けるほか、食欲増進にもつながる最強の加工方法なのさ!』

リョウヘイ『す、凄い!美味しくなるだけではなくて、そんなに体に良いのか!』

リーダー『そうさ!漬け込み具合によって味や風味などの変化も楽しい!漬け込んでいる間に乳酸菌が生まれ、発酵によってビタミンB1やビタミンB2などのビタミンB群が大幅に増えて栄養価がアップするというのも凄いことさ!通の中には長めに漬かったすっぱいキムチを好むヤツもいるくらいさ!』

リョウヘイ『このキムチという方法が国に広まればより健康的な王国を作れるかもしれない…僕はフープ王国第二王子リョウヘイ!キムチ界隈さん!僕に力を貸してください!!この国をもう一度安心出来る国にしたいのです!!』

キムチ界隈『…えぇぇぇ!!!』

酒場にいる荒くれ者たちは大きく目を見開き一様に驚いた!

キムチ界隈『ま、まさか?リョウヘイ王子!?そんなお人がなぜ、こんな酒場に!?』

キムチ界隈『ほ、ほんまや!?よく見たら本物ですやん!?』

リーダー『大変申し訳ございませんでした!まさかあの偉大なる国王のご子息とは!』

リョウヘイ『ははは…凄いのは国王なだけで、僕はまだ何も成し遂げてないですから。』

その時扉を勢いよく開けて大柄の男が入ってくる。

チョビ『リョウヘイ坊っちゃま!こんなところにいらっしゃったのですね!この酒場の者たちを全員処刑いたします!!』

キムチ界隈『ひぃぃー!!』

リョウヘイ『落ち着いてチョビ!!この人達を王宮に迎えてください!僕はキムチというものを学び国民に広めます!』

チョビ『…はて?』

その後、リョウヘイはキムチ界隈協力のもと、キムチを王国に浸透させることに成功する。キムチの旨さだけではなく、その健康に対しての姿勢が国民を惹きつけた。今やフープ王国の食卓にはなくてはならない一品となり、再び王国に笑顔と安心をもたらしたという。

第八話完