「普通になりたい」が苦しいあなたへ。心の病と生きるということ

はじめに

「普通になりたい。」
そんな気持ちに押しつぶされそうになったこと、ありませんか?

周りと同じように働いて、笑って、恋をして、夢中になれる何かがあって…。

みんなができてること”が、自分にはどうしてもできない。

「どうして私は普通じゃないんだろう」
そんな思いが、心をじわじわと締めつけていく。

でも、あなたが今感じている「生きづらさ」には、ちゃんと理由があります。

それはあなたの心が弱いからじゃない。

むしろ、それだけ繊細で、周囲に無理して合わせようと頑張ってきた証です。

このコラムでは、「普通じゃないこと」が苦しくなってしまったあなたに向けて、心の病とともに歩く日々のなかで見えてきた、生き方のヒントをお届けします。

あなたが少しでも「自分のままでいいかもしれない」と思えるように。

そのきっかけになれたらうれしいです。

「普通」って誰が決めた?:比べすぎて自分が見えなくなる瞬間

「普通に生きたい」「普通になりたい」と思っている人ほど、本当は周囲をよく見て、繊細に空気を感じ取りながら生きてきた人です。

だけどその「普通」って、一体誰が決めたのでしょうか?

たとえば、朝起きて会社に行くこと。人付き合いが上手にできること。休日には趣味を楽しみ、恋人がいて、結婚して…。

そうした“普通像”は、テレビやSNS、周囲の会話から自然と刷り込まれた「平均値」にすぎません。

けれど、私たちは誰ひとりとして“平均そのもの”ではないのです。

本当は、みんな少しずつ違うし、弱さも、得意なことも、人より苦手なことだってあって当たり前。

それを忘れてしまうと、「私はダメだ」「あの人と違って私は普通じゃない」と、自分を責める沼にはまってしまいます。

精神疾患がある人は特に、無意識に“普通”に寄せようとして苦しくなりがちです。

「こんなことで休んじゃいけない」「頑張らなきゃ」――そうやって、自分に厳しくしすぎていませんか?

でも本当に大切なのは、自分の普通を見つけること。

誰かの基準じゃなくて、あなた自身が無理せず過ごせるリズム、あなたなりの幸せの形を、ゆっくり探していいんです。

周りと同じようにできないことが、そんなに悪いこと?

精神疾患を抱えていると、周りと同じように行動できないことが多くあります。

朝が苦手だったり、電車に乗るのが怖かったり、仕事を続けられなかったり…。

そんな自分に対して「またダメだった」「みんなはできてるのに」と、自責の気持ちが強くなることもあるでしょう。

でも、周りと同じようにできないことって、本当に“悪いこと”なのでしょうか?

実はそれって、単に「違う生き方」なだけかもしれません。

社会が求めるスピードや型に合わなかったとしても、あなたにはあなたにしかない感受性や価値観があります。

他人と比べて落ち込むのは、「他人の人生の土俵」で自分を評価しているから。

でもあなたは、あなた自身の人生を生きているのです。

自分の歩幅、自分のペース、自分のルールで生きたっていい。

むしろ、周りと違うことを「自分らしさ」に変えられたとき、はじめて本当の意味で生きやすさが見えてくるのではないでしょうか。

心の病と“うまく共存する”という選択肢

精神疾患は、風邪のように数日で治るものではありません。

長くつきあっていく必要があるからこそ、「治さなきゃ」と焦るよりも、どうすればうまく共存できるかを考える方が、ずっと心が楽になります。

たとえば、パニック障害があるなら「どうすれば発作の不安が少ない環境で動けるか」を探す。

うつ病でしんどいときには「できないことを責めるのではなく、休む日を予定に組み込む」。

そうやって、自分の特性を否定せずに「受け入れたうえで生活に落とし込む」ことが、実は回復の第一歩だったりします。

社会や周囲の期待に応えようと頑張ることは、ときに自分をすり減らすことになります。

それよりも「心の調子にあわせて、暮らしを整えていく」ほうが、はるかに健康的で前向きです。

完璧じゃなくていい。
ゆらいでいい。

「自分らしく共存する」というスタイルを見つけたとき、あなたの人生は確実に生きやすくなります。

回復には段差がある。「よくなったのにまた落ちた…」は当たり前

精神的な不調からの回復には、波があります。

昨日まで元気だったのに、今日はベッドから起き上がれない――そんなことも珍しくありません。

「やっとよくなってきたのに…またダメになった」
そう感じて落ち込むこともあるでしょう。

でも、それはあなたが“後退した”わけではありません。

むしろ、その波の中で「どう対応するか」を学んでいる最中なのです。

心の病は、一直線に良くなるものではなく、階段のように「段差がある」のが普通。

ときには休み、ときには進み、ときには後戻りしても、また前を向けるようになります。

そのたびに「私はこういうときに落ち込みやすいんだな」「これをしたら楽になるかも」と、自分の取扱説明書が少しずつわかってきます。

それこそが、回復のプロセス。
一歩進んで二歩下がるように見える日も、ちゃんと意味のある一日です。

「頑張る」以外の道があってもいい。生き方に正解はない

「頑張ることが美徳」
そんな風潮が今でも強く根づいている社会では、立ち止まることや、休むことが「悪いこと」に思えてしまうかもしれません。

でも本当は、「頑張らない」という選択肢も、立派な生き方のひとつです。

たとえば、無理に会社に行かない選択。
人と距離を置いて、心を守る選択。
治療に専念して、毎日を丁寧に過ごす選択。

そのどれもが、あなたなりの「人生を大切にする方法」なんです。

「正解」は、外にはありません。
あなたが納得できる、自分らしい選択が、
なによりも価値のある「生き方」になります。

“あなたのままでいい”は、綺麗事じゃない理由

「あなたのままでいい」
よく聞くこの言葉に、違和感を感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

「本当に?」「そんなわけない」――
そう思ってしまうのは、今までの人生で「変われ」と言われ続けてきたからかもしれません。

でも、本当に変えなきゃいけないのは「あなた」じゃなくて、“自分らしくいられない社会のあり方”の方かもしれません。

あなたは、あなたであることに意味があります。

無理して誰かにならなくてもいい。

自分を大事にして生きていく姿は、必ず誰かの勇気にもつながります。

あなたがいるだけで、誰かが救われているかもしれない

今、「自分なんていなくてもいい」と思っているあなたへ。

その気持ちは本物かもしれません。でも、それが真実かは、まだ決まっていません。

実は、あなたが笑っている姿、踏ん張って生きている姿を、誰かがちゃんと見ています。

「自分には何もない」と思う日も、あなたの存在は、そっと誰かの背中を押していることがあります。

完璧じゃなくていい。疲れても、立ち止まっても、弱音を吐いてもいい。

それでも今日ここにいるあなたは、間違いなく価値ある存在です。

まとめ

「普通になりたい」と思いながら生きることは、とてもつらいものです。

でも、その苦しさの正体は、「普通」に縛られすぎていたことかもしれません。

周りと比べず、心と相談しながら、自分のリズムで生きていく。

それができたとき、初めて「自分らしい人生」の輪郭が見えてきます。

精神疾患があることも、うまくできない日があることも、全部ひっくるめて、あなたの人生はちゃんと価値がある。

どうか忘れないでください。
あなたは、あなたのままでいい。
そして、これからも生きていい。

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